ステージ上終身雇用

10年以上前に嵐・櫻井翔君が作詞した『Hip Pop Boogie』の一文より。

同曲の歌詞には「いままでこれからもこのメンツです」という決意もあったり、今改めて聞き返すとエモくてしょうがない。

 

ジャニーズで2019年1月時点の最長活動歴を持つのは少年隊。CDデビューから換算しても実に33年が経過。少年隊を筆頭に考えると嵐は若手と思いがちだけどもう20年経つんだなーって。

大野くんの言葉を借りるなら“普通の生活”を20年過ごすとライフワークは大きく変化する。だって嵐デビュー年に生まれた赤ちゃんは成人になるってことでしょ!?2000年生まれの高卒社会人;;2000年生まれって;;とか震えてる場合じゃなかった。

 

話を戻して、オリンピックと紅白司会が一巡した2020年以降は何かしらの発表があると以前から各所報道(というかゴシップ記事)を見て以前から感じてはいたので、活動休止が「2020/12/31」なのは納得しかない。

私は今でもSMAPの解散劇は汚名でしかなかったと思っているので、今回の嵐の活動休止に至るまでのプロセスは現代のアイドルとしては抜かりないと思っています。

まずはファンに、それから番組をはじめとする関係各所に。

嵐の規模を考えると関係各所に話した時点でもう世間に公表したのと同じだから、その代わりに早く発表して2年近くの時間を残したんだろうなって。そして当日中にはメンバー全員出席の記者会見。この対応までして無責任って言われたらほとんどの会社が無責任になっちゃうよ!大変!でも今回叩かれたこの質問もある意味ではマスコミ封じというか必要な質問だった。事前にある程度質問内容は分かっていたとは思うけど「無責任かというご指摘に関しましては、我々からの誠意は2年近くかけて感謝の思いを伝えていく期間を設定した。これは我々の誠意です」って即座に切り返す櫻井翔かっこよすぎて震えた。まさにペンは剣よりも強し。

 

事務所を辞めないとケジメがつかないと考えていた大野くんを完全退所ではなく一時休職といったかたちで着地させた4人の努力は本当に計り知れなかったと今更ながらに思う。辞めるって決めた人を踏みとどまらせるのって本当に難しくて、お互い妥協したといえどもそこに着地できたのは素直にすごいと思う。

 

そういえばツイッター検索していたら誰かが「今回の会見がどんなに評価されても中高生時代の自分だったら受け入れられなかった。社会人になって大野くんの気持ちが痛いほどわかる」と書いていたけど本当にそう思う。もちろん新規の若年層のファンも増えているけど主要ファンは嵐のメンバーが年を重ねていくのと同じように年を重ねていっていて、ファンも20代以降が増えたから今回の件がどことなく受け入れられた気がする。たぶん10年前に同じ発表をしていたら、同じような記者会見の問答をしたとしても受け入れられないファンが大半だったと思う。大体10年前というとKAT-TUNから赤西仁が脱退した時期なんだけどあのときの自分の心情を思い出すと、もちろん今回のように猶予もない事後報告だったから一元的に比べることもできないけどまっっっっっっったく受け入れられなかったもん。なんだかんだCHAINぐらいまで引きずっていた記憶。

今回の嵐のように1人でも欠けるならお休みするという選択も、たとえ1人いなくなってしまったとしてもグループは変わらず継続していくという選択も、どちらの選択も尊重されるべきだと思う。何よりも大切なのは外野の言葉ではなく本人たちの意志なので。

もちろん嵐のことを好きな人が全員、今回の活動休止を受け入れられるわけはないんだけどそこに関しては潤くんが「(ツアーに)来てくれるだけでも嬉しいし、来てくれた中でパフォーマンスや曲を見てどう思うかはお客様次第です」って答えているのでファンはドームツアーでその真価を見極めるしかないのかなと。というかこの感じだともしかしたらジャニーズ初のライブビューイングとかやってもおかしくなさそう……現場至上主義だけどそれはそれで見てみたい(笑)

 

あと今回の記者会見で好きだなーと思ったのは、

(質問)大野さん以外の4人で話をしたりということは。

 松本:4人じゃないと話せないということはないので、それだったら5人で話していた。

 二宮:4人で話しても意味がないというのが一番の理由で、ずっと5人でやっているし、嵐のことなら5人で話すというのがみんなの中であったんじゃないかなと。

って問答なんだけど、これ本当にすごいなって思った。健全!民主主義!あと記者会見で質問してきた記者(青木アナ・サンジャポ)にただ答えるだけでなく一言添えてるのも嵐だなって。明るい記者会見になったと外野ながら思いました

 

「嵐は民主主義だから多数決で決まる。でも1人がやりたくないことはやらない」という理念も「5人で嵐。5-1=0」という方程式もこの20年で築き上げた信頼の証だと思うと、実情はさておき長年やってきたアイドルはすごいなあって感想しかない。

と、ここまで書いてきて私はKAT-TUNのファンでSexy Zoneのファンで、中島健人くんのファンだからどうしてもそれらのフィルター越しに今回の活動休止を考えてしまうけど、どんな未来が待っていたとしても過去が消えるわけではないし、あまり前を向きすぎずに目の前の一分一秒を大切にジャニヲタをゆっくり続けていければいいな。うん、たまには思ったことを140字以上の言葉で書くのも悪くない(笑) 

 

タイトルに戻って、ステージ上終身雇用って残酷なんじゃないかってどうしても思ってしまうけど本人たちがそう決意したなら覚悟してファンも向き合わなきゃいけないと再認識しているところです。一度始めたものは続けなくてはならないのかもしれない。だけどたまにはお休みすることも終身雇用を維持するためには必要な休息だとこの歳になって思う(今書くことじゃないけどQUEENの「The Show Must Go On」がフレディーの死期間近に収録されたって知ってボラブのエンドロールで毎回泣いてる)。

いいとも最終回で中居くんが「バラエティは終わらない事を目指して進むジャンル。ゴールないところで終わらなければならないので、こんな残酷なことがあるのかな」と言っていたのが懐かしく思える今日この頃ですが、アイドルもバラエティのようにゴールを糧にはできないから美しくも儚いのだろうなあ。

とりあえず我が軍としては2017夏に0番様が「ジャニーズは何があっても永遠。僕たちSexy Zoneがジャニーズを永遠にしていきます」と宣言したのでついていくしかないわけですが!金なら出す!頼む!!!

 

 

 

嵐が嵐のまま走り抜きたい。嵐を宝箱に閉じこめたい。

 

2020年12月31日まで、ひとつでも多くの宝物と一緒に閉じこめられますように。

願わくは宝箱を開けるその日がひとつでも多くの笑顔とありますように。