舞台「めぐりあうとき」


カラフル企画Vol.4「めぐりあうとき」
9/18~22 全8公演@笹塚ファクトリー


9/20,9/21,9/22千秋楽の計4公演観劇してきました。
笹塚ファクトリーのキャパは200前後。公演によっては超満席、ほぼ空席もなかったです。特に千秋楽は前売りの段階で完売したとのことでした。また座席は5列目以降に段差があり見易かったです。

■作・演出
園田 英樹

■全公演出演者
早田剛、仲谷明香滝沢乃南、みやなおこ、松田好太郎、大野由加里、田中優

■公演日別出演者
20日(金)19:00~ 白石稔、阿部敦、杉本純一、中村拓未、谷沢龍馬
21日(土)14:00~ 阿部敦、鈴木富夫、万田祐介、親泊義朗、天羽尚吾
21日(土)19:00~ 阿部敦、親泊義朗、杉本純一、中村拓未、谷沢龍馬
22日(日)19:00~ 阿部敦、鈴木富夫、万田祐介、親泊義朗、天羽尚吾



メモを基にざっとあらすじを…。ネタバレは含みますがセリフについては全てニュアンスとなります。
まずは仲谷さんの公演についてのアナウンス、それから仲谷さん・白石さん・園田さん3人でのアナウンスがあり舞台が始まります。


場面はきみえ(仲谷)きみえの母・笑子(みや)中野巡査(阿部/神山)
中野「ストーカー被害については見回りを強化しますのでご安心を」

どうやらきみえはストーカー被害に遭っているらしい。そしてきみえにはもう一つ問題が。それは数ヵ月前に交通事故に巻き込まれ左足に後遺症が残っていることだ。その事故以来、引きこもりになり且つストーカー被害にも悩まされることに。
娘のだらしない生活に母が驚嘆していると電気工事の男(鈴木/杉本)が登場(登場キャラの中で一番巻き込まれた人かもしれない…笑)。母はストーカーの犯人かと思い慌てて、また中野も慌てるがきみえが説明し落ち着きを取り戻す。電気工事の男が家を飛び出した後に中野も帰る。
母娘2人きりになり、笑子は「全部あなたのためにやっていることなのよ」と娘に諭すが、肝心のきみえは心を閉ざしてしまい聞こうともしない。

ここで一旦アニメーションになる。
「たまご」「ペンギン」によるTwitter上でのやり取りだ(ちなみに音声として使用されているのは通称ゆっくりと呼ばれるアレですw)。

たまご:わたしペンギン好きですよ。好きな本があってタイトルは「青空のペンギン」、飛べないペンギンが飛ぼうとする話があるんです。
ペンギン:それ書いたのボクです。
たまご:ウソ。なら続きを書いてください。
ペンギン:それはできません。
たまご:やっぱりニセモノじゃない!

アニメーションが終わり、続いて高崎常道(早田)の部屋に。
ゴロツキに囲まれていた男(谷沢/天羽)を助けようとして返り討ちにあう常道、それを見ていた謎の男・愛川ゴース(白石/親泊)が2人を家に運んできた様子。何やら謎の男・愛川は『TPリサーチ』というところで探偵にも似たことをしているらしい。ゴロツキに囲まれていた男は自身のことを「皇帝ペンギン」と名乗るが詳しいことがわからない。それを見かねた常道は愛川にお願いをする。
常道「探偵ならこの子のことお願いします」
愛川「それはできないんだよ」
そうしている間にも、相手の言葉を反芻するかのようにしか返事をしない「皇帝ペンギン」は落ち着くことがなく常道のベッドの上でジャンプを始めてしまう。
常道「やめてくれよ!下の階の人が怒りに来るだろう!」→制止しようとして自分も同じようにジャンプしてしまい、またそれに愛川も加わり「下の階の住人」が怒りに来る。

笑子「アンタたち!いい加減にしなさい!」
料理の途中だったのかフライパンと包丁を持って怒りに来る笑子。
そこにスピリチュアルコンサルタント・藤田太郎(万田/中村)も登場する。
藤田「笑子さん何があったんですか!!」
早とちりをした藤田が常道と愛川に好戦的になる。更に中野巡査も登場。
中野「見回りをしていたら騒がしかったので………事件?!被害者はどこです?!!!皆さん、壁に手をつけてください!!!!」
壁に手を付けそれぞれに弁明をしだす4人、ここで被害者だとされていた「皇帝ペンギン」がベッドの中から飛び出てきて被害者がいないことが明らかになるが動揺した中野巡査が拳銃を間違って撃ってしまう。倒れこむ藤田。
笑子「藤田さん…っ!!!!」
泣き崩れる笑子。
愛川「……死んでませんよ、血とか出てませんし」
藤田「本当だ」
笑子・中野「よかったあ~」
騒ぎに気付いたきみえが常道の部屋に来る。実は常道、下の階の住人であるきみえが好きなのである。
そこからしばしの妄想タイムに突入しニヤニヤする常道。

その後、騒ぎも一段落し、きみえ・笑子・藤田・中野は部屋を去る。
愛川と2人きりになる常道。
愛川「モテたことないんですか?女の子と触れ合うことはできないでAVを見て自慰行為をするのが関の山、そんな生活楽しいんですか」
常道「楽しいわけないでしょう!!!!」
愛川と「皇帝ペンギン」を追い出し1人きりになりベッドの上でうずくまって泣く常道。
常用している薬も切れてしまった常道が選択した「生活」とは…。

またここで場面が変わり、次に登場したのは常道の上司である編集者・城島健司(田中)とその田中の彼女にあたる学生・紀野川咲(滝沢)。そこに電気工事の男も仕事をしに来るが、肝心の常道はどこかへ逃げたのか見当たらない。
マンガの原作を担当している常道がいないんじゃ仕事にもならない、とぼやく城島。
一方の咲は仕事場に自分を連れてきたことに納得がいっていない様子。その他にも咲にはかねてから思っていたことがあるらしく城島に別れを切り出す。
城島「やだなあ~。あっ、焼肉行こうか!咲ちゃん好きでしょ?今度編集長にもなれるしたくさん食べれるよ!」と話を逸らす。
咲「付き合って4年、そのときから編集長になるって言っててなれてないじゃない!」
城島「終わりは始まりって言うじゃん。だから俺たちも第二シーズンに突入しちゃおう!」
咲「もう無理よ!!!!!!!!」
ちなみにこの一部始終は電気工事の男が全て見ておりますが、追い出されます。
そうしている間に常道が血だらけで登場。
常道「死のうと思ったんですけど、死ねませんでした」
咲「…はじめまして」
常道「はじめまして。でも僕のことは見なかったことにしてください、さようなら」
咲「さような……えっ!!城島さん!!!!大変よ!!!!」
なんと常道ベランダから飛び降りようとしだしたのだ。なんとか阻止しようとする2人。
城島「ツネちゃんとオレは友達だろうが!!!!!」
実はこの城島、ウソをつくときに耳たぶを触ってしまう癖があるのだった。このとき耳たぶに触れている城島を見てしまった常道は失望する。
城島「あ、あれだ!!あれを見ないで死んだらダメだ!!!」
咲「あれってなによ!!!」
城島「あれはあれだよ……あっ!!ツネちゃん女!!女の裸見たいだろ!!今から咲が脱ぐから!!!」
咲「は???」
少しでも常道が戻ってくるように画策する城島。
城島「見ての通り、咲はいいカラダをしてる!中身は楽園!めくるめく世界だ!!!」
楽園に興味を示す常道。部屋に戻せる!と思ったのも束の間、咲が本気で脱ぐと知った城島がロープを手放してしまい常道はベランダから落ちてしまう―――。

ここでちょっとしたお遊びコーナー「ジャポネットはかた」。
社長・はかた(松田)、アシスタント・なごや(大野)によって紹介されたアイテムは超小型タイムマシーン!?

また場面は変わり、きみえ、笑子、藤田。
きみえの閉ざされた心を開こうと画策する藤田。ちなみにこの藤田という男は「いやしの森・青葉会」に所属し精神的問題がある人を診ているとのこと。笑子とは近所のスーパーで知り合ったらしい。
藤田「今、いかにも僕のことを怪しいと思いましたね?」
そう、とにかくこの藤田という男は胡散臭いのである。冷ややかな視線を送るきみえと対照的にすっかり陶酔した様子の笑子。
藤田「君はあの事故で後遺症を負った。そして自分が死ねば良かったと思ってるね。その足の後遺症だって本当は治っていてもおかしくないのに君は頑なに拒否するね」
トラウマを抉られたきみえは包丁を持ち出し、2人を部屋から追い出す。
そしてその直後きみえの元に届いたのは、ストーカーからだと推測される赤いスプレーで「死ね」と大きく書かれた紙が入った黒い封筒だった。
半狂乱になるきみえ。更にベランダに何かが落ちてきた。
その「何か」とは上の階の住人である常道だった―――。
ますます狂乱するきみえ、そして再び飛び降りようとする常道。それを阻止するためにきみえは「正当防衛」を犯してしまうのだった。

時を同じくして常道を追っかけてきみえの部屋を訪れた城島・咲はきみえが常道の首をロープで絞める瞬間を目撃してしまう。
「人殺し!!!」
そしてほとぼりがさめただろうと部屋に戻ってくる笑子と藤田。騒ぎに駆けつける中野巡査。「皇帝ペンギン」を交番に連れて行くも失敗し再び部屋に戻ってきた愛川と「皇帝ペンギン」。
中野「きみえさんがこんなことするはずない…正当防衛ですよね??!」
きみえ「首は絞めたけどこれには事情が」
中野「どうして認めちゃうんですか!!!正当防衛だって言ってくださいよぉ!!!」
城島「お前それでも警察か!!」
中野「警察にだって人情があるんです!!!!」
と、警察らしからぬ言動を重ねる中野。
笑子「そう、きみえは何もしてない。首を絞めたのは……わたしよ!お願い中野さん、私を逮捕して」
中野「よろしくお願いします」
他一同「えっ!!?」
そして死んだと思われていた常道が目を覚まし、事件は無事に解決したのであった。

場面は暗転し、ジャポネットはかた。
タイムマシーンの次に登場したアイテムはなんでもなおしてしまうスプレー。
ここで皇帝ペンギン」こと「今井つよし」が登場する。
見事になおり普通の人へとなったつよしの姿を見守る常道。
はかた「あなたもこのスプレー使いたいとです?でもあなたのトラウマは深すぎる…」
また場面は変わり、常道の過去・トラウマシーンへ。
トラウマシーン後にスプレーを存分に浴びた常道は―――。


通常パートに戻り、常道の部屋には結局つよしと愛川が滞在しており泊まっていこうとしていた。
そこに中野巡査が人探しで、はかたとなごやを連れて訪問してくる(何かを察知した愛川はどこかに雲隠れした模様。またはかたはわからなかったけど、このときなごやは超小型タイムマシーンを身につけてます。つまりは他の時代から来たということに繋がります。)
中野「人探しと聞いてここにいるとにいないと思いまして」
部屋を捜索するはかたとなごや。毛布にくるまったままのつよしはいるものの、実質的には常道と中野の2人になる。
中野「高崎さんは引きこもりなんですよね…?ああっ、立ち入ったことを聞いてしまい申し訳ございません」
常道「そうですよ」
中野「さっき死のうとしたことも…その編集者の方が話しているのを聞いてしまい……」
常道「でも死ねませんでした」
中野「…好きな人、いるんでしょ?」
と、高校時代の恋愛話を切り出す中野に勇気づけられる常道。
中野「好きになられるより好きになった方がいいですよ」
中野が部屋を去ったあと、ジャポネットの2人がつよしを引き取ることになるが、納得した表情を浮かべない。どうやら人探ししていた相手はつよしではないようだ。
引き取られる前につよしはペンギンの子育てについて語る。
つよし「ペンギンのつがいはたまごをこうやって足に挟んで温めます。一方が温めている間、もう一方は餌を取ってきて体力をつけます。たまごは少しでも温度が下がったら死んでしまいます。だからたまごの受け渡しは慎重に行わなくてはいけません」
(ちなみにここで語られるたまごの話は比喩になってます。)

ここで再び「たまご」によるTwitter画面が表示される。
若干省略しますが「たまご」がきみえだと気付く「ペンギン」こと常道はきみえの部屋へと向い確信を得る。
そんな「たまご」と「ペンギン」の関係に気付いた愛川は自分が「100年後からきたタイムトラベラー」だと明かす。そしてきみえが「享年21歳」だという未来での結果を常道に伝えるものの、常道は愛川を酔っ払ったと思い真剣に話を聞こうとはしない。(※愛川の胸ポケットには超小型タイムマシーンが入ってました。)

場面は常道の部屋からきみえの部屋へ。
泥だらけになった状態できみえの部屋を訪れるつよし。きみえはシャワーを浴びてくるようにつよしを案内する。
そしてリビングに戻ると「ドアが開いてましたよ、ダメじゃないですか」と中野巡査の姿が。
きみえ「すみません…」
中野「またストーカーから手紙が届いたって…そのストーカー、きみえさんが知っている人物ですよ」
きみえ「高崎さん…?」
中野「……」
きみえ「まさか…」
中野「動かないで!!!!!!」
そう、例の手紙の送り主は中野巡査だったのだ。
中野は包丁をきみえに向けながらロープで拘束する。
そこに笑子、藤田が帰ってくるが2人も拘束されてしまう―――。
きみえ「どうしてこんなことを…」
中野「かおりをなぜ助けなかった!!!かおりを車内から引きずり出すことだってできたはずだ!!」
かおりというのは、きみえが後遺症を負う原因となった事故の運転手。きみえは横転した車から弾き出されたが、運転手のかおりは車から逃げ出せずに燃え上がる車とともに死んでしまったのだった。

時を同じく常道の部屋で咲は愛川と城島に料理を作っていた。愛川は帰ってしまったが常道の脳裏には先ほどの愛川の言葉が焼きついていたのだった。
常道「城島さん、タイムトラベルって信じますか?……やっぱり僕、いってきます」

きみえの部屋に到着する常道、それを追っかけてきた城島と咲。拘束された3人と中野の姿を見て焦る常道と咲。一方の城島は酔っ払っておりSMプレイの最中だと勘違いする(笑)
城島「みんな揃ってんじゃ~ん!オレも混ぜてよ~!」
そして包丁を手にした中野に突っ込んでいき脇腹を刺されてしまうのだった。

中野「ねえきみえさん。かおりは…かおりは何て言って死んだんです。僕には何も言ってくれなかった…」
きみえ「生きろって、きみえだけでも逃げろって……っ」
その言葉を聞いて先ほど部屋に持ち込んだ灯油を全身に被る中野。予め準備していたライターに火をつけようとする。
常道「何してるんですか!!!」
それを見た常道が中野からライターを奪う。
常道「かおりさんの生きろはきみえさんだけじゃなく、あなたにも言ったんですよ。ねえ、生きようよ、生きましょう。かおりさんのためにも」
ここでつよしが登場する。最初から持っていたリュックから羽を取り出す。
つよし「生きよう」
羽を抱き合う常道と中野の上に降らすつよし。
つよし「ペンギンは飛べません。だから羽をあげるのです―――」

ここで本編は終わり、後日談・翌日になります。
場面はきみえと笑子のやり取り。
笑子「今まであなたのために、あなたのためにってやってきたけど結局は自分がやってほしいことだったのかも、ごめんね」
しかし離れたところにいたきみえにこの言葉は届かない。
そしてきみえが母の元に現れると、いつもとは違う明るい服を身に纏っていた。
笑子「実はね藤田さんについてなんだけど」
きみえ「それならもうね、お母さんの恋愛に口出しするのはやめようって」
笑子「ううん、そうじゃなくて藤田さん"コンタルサント"される側だったの、それも重症の。でもね、話聞いてもらえて本当に嬉しかったんだぁ…」
娘の前で泣いてしまう笑子。
笑子「今までごめんね」
きみえ「…お母さんが初めて謝ってくれた……。でもね"コンタルサント"じゃなくて」
笑子「サル!!(笑)」

きみえ「私、お腹すいちゃった」
笑子「じゃあ朝ごはんにしよっか」
きみえ「うん」
誰かを呼びに部屋を出て行くきみえ。笑子はきみえのその姿を見て驚く。
きみえは杖を使うことなく歩き出したからだ。笑子は杖のある方を向きながら納得するのであった。

場面は変わり常道の部屋。再び愛川が訪問していたのであった。
常道「なんですか、こんな時間から」
愛川「…キミ、僕の正体わかってるんじゃないの~?」
常道「まあ、それは……。あの1つ聞いてもいいですか」
愛川「どうぞ」
常道「僕、結婚できますか」
愛川「しなきゃね!」
そこでベルが鳴り、きみえが現れる。
きみえ「高崎さん、朝ごはんまだですよね?」
常道「ええ、まあ」
きみえ「母が、高崎さん呼んできたらって。もしよかったら一緒に食べませんか?」

きみえが「待ってます」と言って部屋を去った後に動揺する常道。
常道「どうしたら…」
愛川「行けばいいじゃないですか。それともまたベランダからお邪魔しますか?」
常道「いえ、ドアから行きます……」
歩き出す常道、それを見守る愛川。
常道「(愛川に向かって)ありがとう」
そして最後に愛川が羽を取り出し、新しい物語へと飛ばして舞台は終わります。

挨拶は千秋楽はトリプルでした。園田さんの紹介やキャスト陣の紹介をしてました。
そこで早田さんが「舞台はお客さんが入って初めて完成するので、こうやって満員のお客さんに見てもらえて本当に嬉しかったです」といった趣旨の挨拶をしていました。


本編についてはこれで終わります。
その他の細かいことについては別記事をあげます。